一里野温泉 白山の山ふところに開けた小さな高原の温泉地

スキー場から見た一里野温泉全景。

一里野温泉について

日本三名山「白山」のふもとに広がる白山温泉郷。その奥深く、山あいの中に小さいながらも明るく開けた高原の温泉地がある。それが一里野温泉である。 険しい山並み故にこの辺りはあまり平らなところがない。そんな山あいの中でこの約一里ほどの間が平らな野になっておったから「一里野」である。ここの温泉は約5km程奧深くの岩間温泉から引湯した湯である。
岩間温泉は高温で量も多く、源泉温度93度もの高温の温泉が毎分600リットルもの量で湯谷の川沿いからおびただしい量の湯気を吹き上げながら湧き出している。これをこの一里野まで引いてくると55度ほどになる。これを各浴槽に掛け流して42度ほどの快適な湯浴みを旅人に提供しているのがこの一里野温泉である。 白山の大自然に囲まれたその環境は癒しの場としてもレジャーの場としても最適である。


岩間温泉元湯の露天風呂。

白山麓に温泉地が多いのも白山の恵み。

温泉センター天領の足湯。

一里野温泉の湯

無色透明なほんのり硫黄の香りのする天然の湯は誠まろやかな湯触りであり、体の芯まで温めてくれて、湯冷めもしない。各施設ではこの湯を贅沢にかけ流してお客様に快適な癒しの温泉を提供している。
天然温泉かけ流し故にもちろん飲泉も可能で、かすかに漂う硫黄臭の湯を口に含むとコクのある味わいが口に広がる。体の内と外から湯が染み込むのが分かる気がする。白山の地中深く、その熱いマグマで熱せられた湯には天然成分が豊富に含まれている。
岩間温泉の元湯の奧には国指定特別天然記念物の「噴泉塔」がある。吹き上げた温泉成分が蓄積し塔になる。そのてっぺんから100度近い熱い熱い温泉が噴き上げている。白山のマグマが作り上げたこの熱い白山の温泉を象徴するものである。

温泉データ

泉質:塩化ナトリウム物泉(弱食塩泉)
源泉温度:96度
湯の色:無色透明
湯触り:まろやか
臭い:ほのかな硫黄臭
湯量:600L弱/分
自噴泉2本、掘削自然湧出泉2本の混合


効能

胃腸疾患、神経痛、弛緩性便秘、貧血、喘息、慢性皮膚病、水虫、リューマチ等に効き目があります。


岩間噴泉塔からは100度近い熱湯が吹き上がる。

日帰り入浴ができる旅館も多い。

古来より懇々と湧き続ける温泉。
多くの人達がその湯を求め、
支てきた歴史がある。

一里野温泉の温泉地としての歴史は30年を超えたくらいの物だが、その「湯」自体は古くからある物である。
一里野より約5㌔程奥地に入った所に岩間温泉がある。この岩間温泉は泰澄大師の開湯伝説もあり、1200年以上もの歴史を持つ温泉である。加賀藩家老の湯治記録などもあり、山奥深い秘湯ながらその効能故に湯治場としての歴史もある。
大正10年に当時の石川県能美郡の松本源祐郡長が大火で8割程もの家屋が全焼した尾添地区に対して温泉と白山への登山道の整備を復興策として掲げた。村人の頑張りにより、温泉からの登山道と温泉の施設が作られた。そして松本源祐郡長自身がその道で白山に登り、そしてこの湯に浸かった。そして岩の間から熱い湯が懇々と湧き出でる様を見て岩間温泉と名付けたと伝えられている。
その後、沢山の人々がこの湯を求めて山奥へ足を延ばした。しかし、昭和9年の水害で温泉施設は流出してしまう。それを尾添地域の行く末を案じていた山崎信一氏が地域振興の為との思いで、私材を投げ打って、岩間までの道路を開発し、荒れていた元湯を復興した。
その後その元湯近くに現在の岩間温泉を開湯。しかし尾添地域の為にはこの地よりも開けた「一里野」での温泉地開発が必要との事で一里野への温泉引湯を計画。その後、一里野開発の為に動いたが、その実現を前に病に倒れてしまう。しかしその意志は尾添の皆に受け継がれ、石川県の協力もあって、1977年、ついに「一里野温泉」開湯に至ったのである。
白山の秘境の中を走る「白山スーパー林道」の開通と豪雪地帯ならではの雪を楽しむ為のスキーリフトも2本付けられて、一里野温泉はその温泉地としての歴史をスタートさせる事になった。
白山の山ふところに抱かれた山あいの高原の温泉地はその自然環境の豊かさと湯の質を認められ、季節を問わず多くの方がこの地を、この温泉を求めて訪れるようになり、現在に至るのである。


温泉センター「天領」の露天風呂

白山温泉郷

「白山の周りは温泉だらけ。そのマグマで熱せられた熱い湯があちこちから湧き出す。」 「様々な温泉が湧き出す恵みの湯の郷。色や湯ざわり、効能も皆違う。湯巡りがとっても楽しい温泉郷。」 活火山である白山の周辺にはそのマグマで熱せられた源泉があちこちから湧き出ている。白山の周りをぐるりと見渡してみると石川県、福井県、岐阜県、富山県の4県にまたがり本当に多くの温泉地が点在しているのが見てとれる。 白山温泉郷はそんな多くの源泉の中でも特に白山市内の17の源泉を総称して呼称されているものである。主に山あいに点在する小さな温泉地の集まりであるが、特徴的なのが車で30分くらいの圏内の中にあるこれらの温泉それぞれが泉質や湯触り、湯の色が様々である事である。 弱食塩泉から重曹泉、硫黄泉など泉質もさることながら、湯の色も白濁や透明、茶色や黒色など様々である。そして湯触りもまたまろやかな物からさらりとした物、ぬるぬるしたなめらかな物などこれまたいろいろで面白い。 昨今湯巡りが各温泉地で盛んに行われているが、一つの温泉地で湯巡りをしても浴槽の形や環境は変わってもその湯自体は同じである事が多い。この白山温泉郷なら「湯」その物を味比べしながらの本当の湯巡りが楽しめる。歩いて巡れる距離ではないが車で数分で隣の温泉地まで行けるので、手軽にいろいろな白山の源泉を楽しんでみたいものである。各温泉地には総湯や温泉センターなどの公共の浴場施設もあるし、旅館などでも日帰り入浴で利用できるところも多い。かけ流しにしているところが多いのもここの特徴だろう。 白山の大自然に囲まれたこの地で、これまた白山の恩恵である天然の湯にどっぷりと身を浸すと、それこそ身も心も洗われるようである。白山のふところに身も心もゆだねてゆったりとした時を過ごしてみてはいかがだろう。


上空から見た一里野温泉。

一里野の湯は岩間温泉から引いている。